「それでも、私は支えたい」第8回 相続は、もう一つの時間を生きる

「それでも、私は支えたい」第8回 相続は、もう一つの時間を生きる

相続は、もう一つの時間を生きること
──支えてくれた相続コンサルタントの存在──

昨年4月21日、青森の叔母が倒れたという連絡を受け、
いとこ同士でLINEをつなぎ、支え合いながら過ごした約4か月。
8月27日に叔母が亡くなったあとも、死後事務や土地売却の手続きは、今も続いています。

相続の時間軸は、私たちの日常生活とはまったく別物です。
とてもゆっくりで、思うようには進みません。
自分が動いても先に進めるわけではなく、
相手の対応を待つしかない場面がほとんどです。

その時間に慣れていないと、不安になり、焦り、
ときには「いつ終わるのだろう」と絶望的な気持ちになることもあります。
まるで、二つの異なる時間が同時に流れている世界を生きているようです。

しかも相続の悩みは、多くの場合、

特定の相続人が中心となって抱えることになりがちです。

日常生活は待ってくれません。
親の介護、家族の病気、子どもの進学…。
「今ここでお金を使って大丈夫だろうか」
「相続費用がまだ分からないのに、旅行なんて行っていいのだろうか」
そんな思いが、常に頭の片隅にあり、
気持ちにブレーキがかかってしまいます。

土地が売れるまでは終わらない。
売れるのかどうかも分からない。
その間、ずっと我慢し続けなければならないのだろうか――。
気づけば心が萎縮していきました。

そんなとき、心の支えになってくれたのが
相続コンサルタントの存在でした。

相続コンサルタントという「心の支え」

相続ともう一つの時間を表すイメージ

知り合いの相続関係者のご縁で、
青森県の相続コンサルタントの方を紹介していただき、
Zoomでお話を聞いてもらいました。

最初は遠慮しながら話していましたが、
気づけば抱えていた不安や疑問を、次々と話していました。

その中で印象に残った言葉があります。

「士業の先生方は、仕事に忠実な分、
一人ひとりと丁寧に話す時間を持てないことが多い。
私たちコンサルタントは、その“隙間”を埋めて、
安心して任せてもらう役割なんです。」

その言葉に、深くうなずきました。
今の私は、まさにその“安心感”に包まれています。

もしこの相続を、
誰にも相談せず、すべて一人で進めていたら…。
そう思うと、正直ぞっとします。

「相続コンサルタントって何をしてくれる人?」
そう思う方も多いと思います。
でも、当事者になったとき、その価値ははっきり分かります。
もし迷ったら、信頼できる相続コンサルタントにつながってほしい。
心からそう思います。

親族間相続では、測量が後回しになることがある

コンサルタントの方と話す中で、
もう一つ大きな気づきがありました。

叔母の家は、祖父母の代から引き継がれてきた家ですが、
建物の構造の登記が、改装前のままになっていました。
ずっと不思議に思っていたのです。

その理由を聞いて、納得しました。
親族間で相続する場合、測量や登記変更を後回しにすることが少なくないというのです。

費用がかかること、
やらなくても相続手続き自体は進んでしまうこと。
「今は必要ない」と判断されがちなのだそうです。

しかし、売却するとなれば話は別です。
今回、土地売却のために測量が必要になり、
改めて測量鑑定をお願いすることになりました。

「そのときにやっておいてくれたら…」
と思わずにはいられませんでした。

預金が『預り金』として扱われることで、支払いの流れが見えてきた

さらに、司法書士事務所とのやり取りの中で、
もう一つ初めて知ったことがありました。

口座解約後の預金は、
一旦、司法書士事務所の「預り金」として管理される
ということです。

すぐにすべてを支払わなければならないわけではない場合もある、
という選択肢が見えました。
私にとっては、それが気持ちを整理する助けになりました。

それまでは
「いつ請求が来るのだろう」
「今すぐ払えと言われたらどうしよう」
と怯えていたからです。

さらに、司法書士事務所とのやり取りを通して、
相続手続きの“役割分担”についても理解が深まりました。

家族が相続について考えるイメージ

今回、司法書士事務所が担当してくださるのは、
相続人の確定と、銀行口座の解約までの事務手続きです。
口座解約が完了すると、そこで一旦精算となり、
司法書士事務所としての業務は終了します。

その後の
・土地家屋の測量
・不動産会社とのやり取り
・売却に関する手続きや支払い
については、
土地家屋調査士や不動産会社を紹介していただいた上で、
それぞれと直接やり取りして進めていくことになります。

私は当初、
測量や売却まで含めて一括でお願いできるのではないかと
思い込んでいましたが、
実際には専門ごとに役割が分かれていることを知りました。

また、医療保険の請求については、
必要書類を送ってもらえないかと司法書士事務所へ連絡しました。
その際、
「どのような書類が必要かは、こちらから保険会社に直接確認します。
そのように保険会社へ伝えてください」
と提案していただきました。

その内容を保険会社に伝えたところ、
「請求はあくまで相続人本人から行ってほしい。
司法書士事務所との直接のやり取りは行っていません」
との返答でした。

このやり取りを事務所に伝え、
必要書類の写しを送ってもらい、
請求手続きは私が行う ことになりました。

専門家がすべてを代行してくれるわけではありませんが、
「どこまでが依頼できて、どこからは自分で動く必要があるのか」
を整理してもらえたことで、
気持ちは落ち着いて次の行動に移ることができました。

相続の手続きは、
一人の専門家に丸ごと任せられるものではなく、
複数の専門家と、当事者がバトンをつなぎながら進めていくもの
なのだと実感しています。

その流れを理解できただけでも、
「何が起きているのか分からない不安」からは、
一歩抜け出せた気がしています。

まだ終わっていないけれど

相続後の人生を歩むイメージ

手続きは、まだまだ続きます。
土地の売却も終わっていません。

それでも、悲観的にならず、
一つずつ進めていこうと思います。

家が売却される前に、
伯母の納骨式を無事に終えること。
それが今の目標です。

本当に、先はまだ長い。
それでも――
私は、最後まで支えたいと思っています。

この文章が、
いま相続の途中にいる方や、
これから向き合うかもしれない方の
心を少しでも軽くできたらと思っています。

※このブログは「それでも、私は支えたい」シリーズの第8回です。

前回の記事は、必要な方のために文末にリンクを置いています。

👇 「それでも、私は支えたい」第7回

~「誰が払うのか」 相続は“気持ち”ではなく“お金”で決まっていく~

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